ぺそけん

同人活動記録と日記と旅行記

扁桃腺の摘出手術をしました(長い)

★前回までのあらすじ

natsupe.hatenablog.com

IgA腎症という腎臓病の治療の一環として、扁桃腺を取ることになりました。

 

なんで腎臓の病気なのに扁桃腺を取るの?


1億回聞かれたので説明できます!
IgA腎症は扁桃腺で作られるIgAという抗体に異常が起きて腎臓が炎症する病気。
なので製造元である扁桃腺を摘出して、これ以上IgAが生まれないようにします。
その後がっつりステロイドを投与して腎臓の炎症を治すのが今主流の治療法なのです!!!ちなみに完治はしない!寛解だけ!いいかげんにしろ!
~説明ここまで~

わたくし手術初めてなら全身麻酔も初めてなので、入院前は不安しかありませんでした。
人様の体験談を見ているととにかく痛いやら辛いやらしんどい感想ばかりが出てくるので、明るく前向きな保田圭さんのブログを見て気を紛らわしていました。

前回の腎生検のときも調べすぎて不安になってたのにまた同じ過ちを繰り返してる…。
入院直前のゴールデンウィークには摘出される扁桃腺が最期の咆哮をあげるようにぽんぽこ膿栓が口の中にのぼってきて大変でした。なんなのほんとに

 

新しく用意した入院グッズ


★時計
ダイソーで300円で購入。ボタンを押すとライトが光って文字盤が読める!
カチカチ針の音がしないタイプのちょっと大きめのサイズのものにしました。
デジタルのほうが便利そうだけど、アナログじゃないと時間がわからないから…(異常)

★室内履き
前回使った携帯シューズはかなり簡易的なものだったので、もうちょっとしっかりしたものを買いなおし。無印のこれ!

私が買ったのは990円くらいだったから、これの1世代前のやつかも。
軽くてまあまあしっかりしていて、かかとを踏んでも大丈夫。
病院内をうろつくならこれで十分。今後の入院のときも使います!

★のどぬ~る濡れマスク就寝用
寝ている間の乾燥で朝の喉は激痛 絶対に濡れマスクをして寝たほうがいいと聞いていたので多めに持っていきましたが、術後あおむけで呼吸ができず…
そんな状況で余計息苦しくなるマスクを使うわけにもいかないのでほとんど使用せずに終わりました。

ちなみに前回購入して使わなかったS字フックは今回洗顔ネットやボディスポンジを乾かすのに使いました。
あとは…前回入院時は病棟がやけに暑かったのに今回は謎に寒かったので、最初に着てきたジャージをずっとはおっていたかな…。
持ち物はそんな感じです。

 



◆入院1日目(手術前日)
手術前の診察で目印として左右の口角にペンでマルを書かれ、狗巻棘みたいになった。
更に鼻からカメラを通して喉を撮影され、点滴の針を手の甲に刺されて動揺し、普通に「やだ…」と言ってしまった。入院していきなりそんなことになると思ってなかったからさぁ…
手術後も毎日鼻からカメラを入れて喉の様子を見るらしいので、その時は鼻に触手が入ってきた妄想で乗り切ろうと心に決めました。
私と同い年の人は立派に出産・子育てをしているのにこの体たらく 人間としての格の低さを実感するね。

生理中だったためにT字帯でなくおむつを買うはめになった

あ!あと入院食が塩分制限ナシになっていたので減塩食に変更してもらいました。
腎臓内科と連携とってないんか~~~い!!!

◆入院2日目(手術当日)
この日は水も食事もとれなく、人としての喜びがなかった。
さらに手術前に先生に「痛いよ…ニヤッ」と宣告されて死にに行くような気持ちになりました。
不安なときはいつも「私は今、何が怖いんだろう?」と自問自答するのですが、私が怖いと思うものは総じて「自分の体のコントロールができなくなること」なんですよね。だから泥酔とかも怖い。
今日の手術で痛いことは特にないけれど、全身麻酔のあとどれだけ体がおかしくなるのかがとにかく不安でした。

時間になり手術室に行くと、ものものしい雰囲気とたくさんのお医者さんや看護師さんたちに圧倒されました。
手術室内もまるでUFOかなにかの研究所みたいで、独特の雰囲気。
あたりを見回している間にあれよあれよとベッドに寝かされ、酸素マスクをつけられ、麻酔の点滴を入れられて「あーぼーっとしてきました…よろしくおねがいします…」と言ったところで意識がなくなりました。
目を覚ましたのは「終わりましたよ」と声をかけられたとき。場所は覚えていません。
全身麻酔は目をつむった次の瞬間に終わってる」とよく聞くけど、そこまでマッハには感じませんでした。ぐっすり眠ったときくらいの体感だった。

ちゃんと目がさめたのは病室で、手術から3時間後くらいだったと思います。
意外と喉痛くないな…普通にしゃべれるな…あおむけだと鼻から息吐きにくいな…ちょっと頭痛いな…くらいの感覚で、心配していたような全身麻酔の副作用はなかったのでほっとしました。
(そういえば摘出した扁桃腺見せてもらえなかったな…残念)
目が覚めてから30分くらいはだるくて手も動かせずにぼーっとしていた。

手術後はとにかく喉奥から血が出て永久にティッシュに吐き出し続ける…と聞いていたけれど、血は1滴も出ませんでした。よかった~!
先生にそのことを言ったら「出ないように手術したからね…」と言われてほっとした。
夕方には自由に歩き回れるようになったのですが、麻酔が切れたおかげでどんどん喉が痛く、言葉もしゃべりにくく…。でもまだ我慢できるかな?くらいの痛みでした。
コロナに罹患した人が言っていた「喉を切られたような痛み」というのがまさにふさわしい表現だと思います。

24時間の絶食は初めてのことで、「自分、夕飯完食できる自信あります!おかゆ1杯でいいから食べさせてください!!!」とずっと思っていました。空腹すぎて…。(元気じゃん)

◆入院3日目(術後1日目)
のどちんこが腫れて肥大しまくって、口を開けて見てみても先端が見えない。
そのせいで睡眠中仰向けになると息が吐けず、呼吸が止まって目が覚める。
上体を起こした体勢で寝たせいで首肩を痛めてひどい頭痛に…。
喉が激痛で声が出ない。
という感じで1日が始まりました。
あと唾液の分泌量が半端なく、少しでもぼーっとしてると口から垂れてくる。慌てて飲み込むと激痛で悶絶する。大変!

この日の朝から食事が再開!
ほかの人の手術レポを見ているとだいたい手術後3日間くらいは重湯やペースト状の食物なのに、この病院ときたら手術翌日の朝食だけがおかゆで昼食からいきなり普通の食事になるんですってよ…。
前回入院のときも思ったけど、人間の自然治癒力を過信しすぎている。
とか思ってたけど案外普通に完食できました。食欲で痛みに、勝つ。

扁桃腺を取った喉だけでなく、手術中開口器で固定されていた舌もだいぶ痛いです。
回診の際に執刀をした先生が扁桃腺を取ったあとの口内の写真を見せてくれましたが、全体的に肉色でよくわからなかったです。

◆入院4日目(術後2日目)
睡眠中の窒息や同室の人のナースコールやらでただでさえ眠りが浅かったのに、明け方緊急地震速報が耳栓を貫通したので枕かぶって布団の中に入って二度寝した。何かあったときに真っ先に死ぬやつの行動。点滴中じゃなくてよかったね…。

痛みは昨日より引いているし、腫れもよくなってきたらしく口の中が広くなっているのがわかる!鼻から吸った空気が喉の知らないところにあたる!おお 快なり!
が、明るい兆しに喜んでたら昼食中尋常じゃない痛みが襲ってきてはじめて食欲が痛みに負けました。
40分かけて半分食べて、20分休んでその後チンタラおかずは食べきったけどごはんと果物は食べられなかった…。

まだ喋ることもうまくできず、「はい」「いいえ」くらいしか言葉にできません。会話は筆談です。
同じ日に同じ手術をした人が昨日の時点で普通に喋れていたので、人によって回復の速さは違うんだなあと思いました。

しかし入院してから本当に何もしていない…こんな上げ膳据え膳の自堕落な生活でいいのだろうか…。

◆入院5日目(術後3日目)
まだ喉や舌の付け根はバカクソ痛いものの、舌のむくみが取れて一言くらいなら喋れるようになりました。
舌がまわらないと吐息の初速で言い切れる分しか喋れないみたいで、とても不便です。
4月末のグラブルのイベントででてきた「普段は意識しないが本来『喋る』というのは高度な技術」というセリフを何度もかみしめました。
しかし手術中の1時間固定されてただけでこんなにグズグズになるなんて、開口器ってよっぽど強いんだろうな…。

この日担当の看護師さんが私と同じくでびでび・でびる様のファンでした!こんなところで契約者に会えるなんてうれしすなあ…
ちゃんと喋れたらいろいろ話せたのになぁ。残念です。イエーイあのときの看護師さん見てる~?本当にお世話になりました…ありがとうございます!!!

◆入院6日目(術後4日目)
起きた瞬間、喉の痛みが風邪レベルに弱くなっているのを感じた。しかもちょっとだけなら喋れるし!やったね!
でも食事中の痛みが本当にしんどくて、とうとう主食をお粥に変更してもらいました。このタイミングで…?

この日の夜、初日から刺さりっぱなしだった点滴が外れて晴れて自由の身になりました!長かった!ようやく両手が洗えるしお風呂も楽になる!
ただ点滴がないということはこれから水分摂取を自力でやらなきゃダメなわけでちょっと気が重い。
今、喉が痛すぎて20ccくらいの水を5回に分けて飲んでいるようなありさまなので…明日からうまくやれるかな?

ともあれ退院日も決まり、病棟内でしょっちゅう顔を見ていたいつメンたちが退院し…私も早くシャバの空気を吸いたくなってきました。

◆入院7日目(術後5日目)
起床時の喉の痛みは少し和らいだ気がしていたけど、昼過ぎからだんだん苦痛が増してきた。いつになったら安定するんだ。
扁桃腺摘出後の痛みの山は人によって違っていて、治りかけの手術後5日目が山になる人もいるそうで…私はいつも山頂にいる気分なんだけどなッ!
さらに痛みだけでなく喉の奥にぴりぴりとした痒み感が出てきたのもなかなかのつらさです。
そういうとき普段なら咳をして痒みを追い払いますが、今刺激を与えて出血したら即手術入院期間延長で終わりです。
なのでどれだけ痒くても涙を流して我慢するか(喉の痒み耐えてると自然と涙出ん?)水を飲んで苦痛で上書きするか、ふたつに1つしかないのだ…。

私があまりに苦しむので、とうとうロキソニンが出ました。
ロキソニンは最強の薬で、カロナールでは痛すぎて食事に1時間かかっていたのが30分で収まるようになりました。本当に神のようなお薬です。
腎臓の負担になるからあまり処方したくないと言われましたが、こっちも必死なので…。
扁摘後はバニラアイスが食べやすいと聞いていたので、この日はおやつにハーゲンダッツを買いました。1週間ぶりの甘いものです。
わくわく期待して食べたものの、言うほど食べやすくもなかったな…。飲み込むときの異物感がないというだけで、痛みは十分ある。
更に冷たさが刺激になったのか、食べている最中に喉がピリピリ痒くなって涙を流しながらハーゲンダッツを食べる人になってしまいました。怖…。

相変わらず水は1回10ccくらいしか飲めてないのに尿意はガンガンくる。
一体どこからこの尿はわいてきてるんだ…。

◆入院8日目(術後6日目)
日付が変わる数分前に過去最大の喉の激痛で目が覚める。おかげで最速でジャンプが読めた。サンキュー!
さすがにこれくらいになると日中の喉の痛みもましになってくる。退院前日なので確認することもちらほらありさすがにちょっと忙しい。
自宅へのクール便の再配達が電話でないと頼めず、なんとか通話したもののたった1分の会話で喉がズタズタになりました。まだ回復は遠いなぁ…

その後栄養士さんがやってきて体重のチェック。入院時と変わっていなくてに「あれ?おかしいな、減ってないんだ」と首をかしげられた。
最初はデブの才能を発揮してしまったのかと怯えたけれど、よくよく話をしたら普段の食事も病院食と同じ1800キロカロリーを維持できているからだと判明してえびす顔になりました。
入院して痩せるってことは普段それだけ高カロリーの食事をしてるからだと。なるほどね。
こっちもあすけんに課金して真剣にやってるからさぁ…ねっ?痩せてぇ~!

誕生日にクソでかいケーキをくれたあす子(正気?)

◆入院9日目(術後7日目)・退院日
初日に買った2リットルの水を飲み切らずに退院日になってしまった。
早々に帰り支度を済ませてあとは診察が終われば娑婆に帰れる♪とか思ってたのに、最後の最後で異常が見つかって退院は延期か?という話になり久しぶりに本気でゴネた。
さすがにそれは困る。
今日帰れることだけを頼りに耐えてきたのに!クール宅急便も今日受け取らないとまずいし…。
仕事したいから帰らせてくださいと直談判した結果、翌日診察を受けに来るのであれば退院していいということになりました。フィー ゴネてよかったぜ…1週間も集団生活を続けて狂いそうなんだ…。
診察の終わりに、突然気道がふさがって息ができなくなったり、大量出血が起きたりするリスクの話を聞いてちょっと怖くなっちゃったけど、そのときはそのときと思うしかないね…。
帰宅後、万が一のときに人に渡すための事情病状説明メモを作りました。赤いペンで「今すぐ救急車を呼んでください」って書くのはちょっとドキドキした。

◆術後8~10日
退院翌日は朝から病院に出向いて診察。喉は正常に戻っていた。
ほっとしたものの、帰宅後意味がわからないほど疲れ果ててびびる。入院生活で体力が落ちているのか、誇張でなくマジで仕事してるとき以外ずっと寝てた。
あと喉の手術痕よりも舌の付け根の傷のほうが圧倒的に痛いことに術後1週間たってやっと気づいた。
休憩を入れずに最後まで食事ができるようになった。
だいたい手術から10日~2週間でみなさん痛みがなくなるようなので、ひたすら耐える…。

◆術後14日
喉の痛みは違和感レベルにまで落ちて普通に生活できています。
舌の痛みも引き続き残ってる。まさかこんな根強く残り続けるとは思ってなかったぜ…さすがにしつこい。

◆術後17日
診察日。先生からお墨付きが出たので今日から食事制限なし!湯船OK!運動OK!やっちゃ~!
病院帰りに数日遅れのお誕生日のごちそうを買って楽しみました。やっぱ油モノってうまい!!!!
傷は回復して出血のリスクも減ったけど患部が完全に粘膜に戻るまであと1ヶ月はかかるとのことで、引き続き用心していきます。

◆術後18日
やっと喉の痛みがなくなった!でもまだ舌が痛い!いいかげんにせえよ!何も切ってないくせによお!!!どこで何が痛んでるんだよ
でもきっとこれもいずれ治るでしょう…
ひとつだけ困っていることをあげるなら、飲んだ水が鼻に行きがちなことかな…。

 


 

以上が扁桃腺取ったよ日記です!あー苦痛だった!もうこりごりだよ!!!
扁桃腺がなくなったことで、生まれてこのかたずっと喉奥にあった詰まりのような感覚がなくなって、前よりも言葉がしゃべりやすくなりました!
あと今まで「大きく息を吸って~吸って吸って~」と言われるたびに最初の1回目で肺がいっぱいになってたのに、ガンガン息を吸えるようになった!
私の体はおかしいのかも?とはずっと思っていたけれど、扁桃腺―お前の仕業だったのか?取ってよかったよほんとに…。
近日中にまた入院していよいよステロイドパルスの1クール目がはじまります。
副作用ガチャ……待ってろよ!

★追記 金の話!!!!

マジでお金の話してる人が少ないので正直に書きます!!!
今回の入院でかかった費用は高額療養費制度を使用して合計9万円くらいでした。
で、保険金は14万円でました。都民共済の入院保障型2型なので入院日数9日間×1万円+手術共済金5万円ですね。
日曜日に書類を投函して次の木曜日に入金がありました。相変わらず早くてありがたいです。
扁桃腺摘出は保険おりるかおりないか色々言われてるけど、私の場合はIgA腎症の治療のためということで出たみたいです。たぶん…。
余剰は今までとこれからの医療費の補填に使います。ステロイドパルスの入院が思ったよりかかってるからさぁ…。