ぺそけん

同人活動記録と日記と旅行記

小説同人誌ができるまで

自己流の同人誌のつくりかたを話したいのでします。
みんな隙あらば自分語り、しような!

 

私が小説同人誌を作るときはだいたい3通りのやり方があります。

1・ストーリー先行型
「こんなストーリーが書きたい」というのがもう存在している場合がコレ。
お話はできているのであとはディティールをどうにかしたり、つじつまをあわせたり話を盛ったりするだけだから楽。(楽とは言ってない)

 これは最初から終わりまで完全にストーリーが決まってた。書くの楽しかった…。

2・エピソード先行型
「こんなシーンが書きたい」をきっかけにお話作りが始まるパターン。
書きたいシーンをつなぎ合わせつつテーマを決めて物語に一本筋を通したり、
「自然にこのシーンを登場させるにはどういう話にしたらいいかな?」と演繹していく方法などがあり。

 この同人誌は2人の結婚式とか、女の子と恋バナするルシフェル様が書きたくて作りました。

3・タイトル先行型
「こんなタイトルでお話を書きたい」から始まるのがこのパティーン。
ぎりぎりでタイトルを決めずにすむのでとても楽。
あとタイトルが決まってることで全体の方向性やテーマも概ね定まってるのでそのへんも楽ちん。

これとかそうだった。
以上3つがだいたい私が小説を書くときのやりかたです。

 

実際どうやって小説同人誌を作るかの話だけど、実例があったほうがわかりやすいので今回はこの本の話をします。

 これ。
これは元々pixivにのっけてた話

のweb再録本です。
2019年10月のイベントが台風で中止になり、急遽翌年1月のインテに参加することになって、何も新刊がないのも寂しいけど新しく書きはじめるには時間がない…となったときに「そういえばあの話をちゃんと書き直したかったなぁ」と思い出してweb再録本を作ることにしたってワケよ。一文が長い
ちょちょっと修正するだけで作業もほとんどないだろうとタカをくくってたけど全然そんなことなかった。普通に大変だった。

 

●web版ができるまで
まず最初にweb版をどうやって書いたかの話からします。
この話はエピソード先行型+タイトル先行型で、一番最初にラストシーン(pixivの5ページ目)をだだーっと書きました。
世界を滅ぼして2人きりで睦み続けるBLいいやん?イメージは相対性理論の「小学館」です。小学館が嫌いなオタクはいないからな(主語デカ)
で、せっかくここまで書いたんだから1本の小説にしないともったいないと思い、「このラストシーンにたどり着くにはどういう話にすればいいかな?」とお話を演繹していきました。
「Don't disturb」というタイトルはずっとつけたいと思ってストックしていたものなのでここぞとばかりに使いました。
普段同人誌を作るときはなるべくタイトルで内容がイメージできるようにしてるけど、webなら好きなようにやっていいかなって…。
性的なことを何も知らないルシフェル様を「起こさないでください」だし(現実世界でも小さい子に性教育をしようとすると「寝た子を起こすな」という話になりますね)、サンダルフォンくんがずっとこの夢から覚めないように「起こさないでください」でもあります。
言葉遊び的にファーさんにも「ドアに『起こさないでください』とでも張り紙しておくといい」って言わせて辻褄あわせをしました。
ちなみに元ネタはコレです。

 処女ビッチな受が好きなので受が主導権を握るエッチにしました。ぉゎり

 

●web版を同人誌にするまで
そして次はこれ↑をどうやって同人誌版にしたかについて説明します。
・本文修正
web用の文章を紙用にかえるため、まず段組みを調整。それから文章の修正。
web用はweb用として書いており紙面で読むと軽すぎるので全体的に肉付けしていきました。っていうか普通に文章が下手だった。
それからベリアルくんを補佐官設定に変更。(これがやりたかった…)
で、ベリアルくんの行動原理(「(ファーさんのために)世界を終わらせたい」)を考えるといろいろとお話に矛盾が出てきてしまうので、思い切ってサンダルフォンくんの境遇なども変更。
愛玩ルートの話だったものを、無知なサンダルフォンくんがエッチを覚えていく話に修正。補佐官ベリアルくんが『快楽=善』と説くならこっちのほうがドラマティックになりそうだし、web版よりもストーリー性を出せるからね!
ちょうどこのころセーラームーンRの映画を観てまもちゃんがフィオレの花を口にするところがとてもセクシーだったので、ベリアルくんにも色っぽく花を食べさせました。
ただこのシーンを追加するだけだともったいないので、ベリアルくんの持論にあわせて「虫は花の蜜を運び、花は虫に花粉を運ばせる」というセリフをin。
さらにそこから発展して「君はルシフェルの花になって甘い蜜を与えるんだ」というセリフを言わせ、いい感じにお話を盛る。ここ我ながら上手くつながったな…。
ついでにベリアルくんがサンダルフォンくんを愛撫するシーンをなくしたかったけど、このくだりがないとうまく話が繋がらないので断念。

あと終盤、世界を終わらせたいベリアルくんがルシフェル様に襲われて抵抗するのはおかしい(ここweb版書いたときどういう気持ちで入れたんだろう…)のでここも修正。
エロシーンはあんまり修正しなかったような気がする…後半に軽くもう1回エッチさせたくらいかな。本を買ってくれた人へのお礼も兼ねて!
ここまで、加筆修正だけなので予定ではすぐ終わるはずだったのに結構ぎりぎりまでかかってしまった。

 

・表紙作成
いつもなら人様にお願いして絵を描いてもらうところだけど、今回はイベントが2ヶ月後ということで依頼してる余裕もなかったのでもう自分で作ることにした。
英語タイトルで内容が伝わりにくいので、もういっそ思いっきり雰囲気重視に振ることに。
ド素人が自力でやってもいい表紙なんてできるわけないので「タイポグラフィ」とか「文字だけ 表紙」で検索してひたすらかっこいい画像を集めて案を考える。
せっかくなのでフォントも視認性が低くてかっこよさに極振りしたものを使用。ミッドセンチュリーっていうの?こういうの わからないけど、あまり体温を感じない感じにした。

色の組み合わせもプロ頼りでここをひたすらクリックして決定。

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結果こんな感じになりました
あとは印刷所に原稿を送っておわり!!!よくできました!

 

まとめ
web再録でも本はつくれる!みんな紙の本つくろう!!!
自力でできないことはプロをまねしよう!!!